仲居バイトのきついところ
まず、着物を着て働く、という事が大変です。
着物を着なれている方は少ないと思います。帯に締め付けられながら物を運んだり下げたり…。さらに立ったりしゃがんだりが多いので腰が痛くなります。
そして仲居さんは接客業なので、もちろん感謝の言葉を頂けると嬉しいですが、あれしてこれしてと言われること全てに愛想よくてきぱきと対応しないといけないので、精神的に日々疲れます。
過去に、畳にお客さんに出すビールをぶちまけてしまったことがあります。袖が引っ掛からないように注意をしていてもおこりました…着物かがんでこぼれたところをくまなく拭くのはとても大変で、その時は泣きそうになりました。
なので、そういった大変さを理解したうえで、旅館や料亭で働くことに希望を持っている方なら、バイトを始めてもいいかもしれません。
大学生の時、住み込みで旅館の仲居のバイトをしていました。
朝が早くて夜も遅く、非常に体力を使うところがきつかったです。ふとんの上げ下ろしや、食事の配膳、お客様の誘導など、仕事が多岐にわたるところも大変でした。覚えることもたくさんあります。
中抜けという休み時間には自分の部屋に戻って仮眠も可能でしたが、なかなか寝れませんでした。お客さまの食事が済んでから片付けて、夜の仕事が終わるのので、夜の睡眠は5時間くらいでした。
学生時代に運動部で活動していた人などの体力に自信のある人や、要領よく仕事への力を抜ける人にはおすすめです。フロント業務のみだと、そこまで体力はいらないかもしれません。また温泉旅館だと、仕事終わりに温泉に入れるので温泉好きの人は最高だと思います。
仲居のバイトで一番きつかったことは、やっぱり配膳です。
二人でペアになって配膳をするときに、一人がお盆を持つ、もう一人がお客様のテーブルに配膳するという形で行っていました。その時に、火傷をしそうなくらい熱いものを素手で持つことが多く、それが我慢できずに大変でした。ペアの相手と途中で代わってもらうこともしばしば。
そんな姿を見た先輩の仲居は、仲居は熱いものも冷たいものも心を込めて運ぶ!それがモットーとすごく怒られましたね。また、狭いお客様の合間を通りながら汁物を配るのもとても緊張する仕事の一つでしたね。
仲居の仕事をする人は、始めは汁物や熱いものは避けたほうがいいですね。少し慣れたらどんどんステップアップするといいと思います。
仲居のお仕事でキツイと思ったことは、重いお食事を運ぶときです。
お部屋に運ぶお食事が意外に重くて腰にくるのでかなり気をつける必要があると思います。お部屋が厨房から遠かったりすると、途中置いて休むわけにもいかないしため、かなりきつくて厳しいと感じるときもあります。
私は実際に腰を痛めてしまって数日お休みをしなければなりませんでした。昼間の中休みはありますが昼寝をしたりして体を休めないと、朝早く夜も遅い時間になってしまうこともあって疲れてしまいます。
ちょっと面倒なことをおっしゃるお客様もゼロではなく、ときには大変なことはありますが、大抵のお客様は優しいのでちょっとしたお喋りは楽しい時間になります。
きついこともありますが、自分から楽しみを見つけながら働くといいと思います。
仲居のきついところは、「朝早くて夜遅い時間帯に働く」ということです。
そして、日中の中途半端な時間が空き時間となります。日中、銀行に行ったり買い物に出かけたりすることはできますが、仲居の空き時間は、普通の人が働いている時間のため、友だちと出かけることがほぼできません。
たった一人の休憩時間が終わると、今度は夜の宴会準備に入ります。この宴会が非常にきついです。だいたい19時くらいから、旅先で飲みまくっているおじさん達を相手に食事を運んだり、お酒を運んだりするのですが、相手はだんだんと泥酔してきますので、絡まれます。お前も飲めとお酒を勧められることもあります。
中には勘違いして触ってくる人もいます。
商売のお姉さんが入っているときには良いのですが、おじさんばかりの宴会なのに、経費削減でご商売の方々がいない場合には、その辺にいる若い女性(我々)に声をかけてきます。我々の商売は酒を配るところまででお相手をすることではないのですが、相手は酔っぱらっていますのでそんなことは理解できません。そんな事が一番きつかったです。
宴会が終わると、それから片付けをします。旅館の配膳は細かい小鉢が多いですので、それを一つ一つ片付けて終わります。そして、翌朝、朝食会場で再び配膳をします。
お酒の好きな方、体力のある方、人と接する事が大好きな方にはおすすめしますが、上記のようなことは必ず起こると思います。
学生時代に京都の旅館で仲居のバイトをしていました。先輩方のことを、お姉さんと呼ぶルールや、お着物で帯も自分で結べなければいけなくてちょっと着崩れしていると影でネチネチ言われました。
仲居のバイトで一番キツイのは、部屋での食事をするお客様さんへの夕食の配膳と御座敷や外で食べるお客様の部屋のお布団を敷く時間が重なっていたことです。京都で川床の御座敷もあったのですが、泊まりのお客様は朝に川床利用できるため夕食は部屋でゆっくりと食事をする人も多く、各階に2名ずつ仲居が配備され、一階の厨房から食品用エレベーターで上がってくる食事を部屋まで運んで配膳していました。
配膳する際には料理名やどんな所を味わって欲しいか説明をしなければならず、それを覚えるのも大変でしたが(ひと月ごとに微妙に料理が違ってきていた)、配膳したあとに年配のお客様だと呼び止められて雑談に移ってしまって部屋から中々退室できなかったり、そのせいで他の部屋への配膳・下膳が遅れてしまったり。
あとはメイン料理まで配膳したあとご飯やお漬物・デザートの配膳の合間の時間に、外出している部屋のお布団を敷きに行くのも仲居の仕事だったので、部屋に入ったら布団を敷くスペースの確保(時々、仲居が入ることを気にせず荷物をおおっぴらに広げたままのお客様もいる)と布団を敷いてシーツを整える、お部屋のポッドのお湯の入れ替え、ゴミ箱が溜まっていたらゴミの撤去とやることは多く、18時から20時は毎日戦場でした。
あとは仲居のバイトを学生でやるとしたら、先輩のお姉さん方の性格が良いことを祈るばかりです。
旅館が多い京都みたいな観光地だと、ずっと仲居の仕事を転々として生活している30?50代のお姉さんも多くいます。女性ばかりの職場ですし、仕事にプライドを持っている人も多いので、着物の着付けや言葉使いが旅館に相応しくないとずっとネチネチ言われます。部屋仕事は2人1組のペアで行うこともあるので、性格がきついお姉さんとペアになると最悪です。
これからバイトを始める人へのアドバイスは、仲居の仕事は上品にニコニコしているだけじゃ務まらないということを念頭に置くことです!どちらかというと体育会系の性格の方がよっぽどやっていけると思います。始めるとしたら、着物で早足で動く・作業することの大変さを覚悟した方が良いですよ!
色々マイナス面を上げましたが、仲居バイトだからこそ得られた経験もとても多かったです。学生時代にあの世界を知って良かったとも思いますし、レストランなどとは違った丁寧な接客もここで学べました。バイトでも仲居をしていたというと話題性もあって就職してからも懐かしく話すことができます。興味のある方はキツさを理解した上で挑戦してみても自分の世界が広がって良いですよ。