塾講師バイトのきついところ
塾も利益を追求する企業です。ですから営業活動は欠かせません。
とくに夏期講習はもっとも売り上げを伸ばせる時なので、かなり無理な営業目標、つまり受講者の獲得が求められます。自力で学習できるようになっている生徒や、塾に来ても遊んでばかりいる生徒には「塾に来るヒマがあったら自宅で勉強しろ」と言いたくても、受講させねばなりません。
生徒のことを第一に考えるのではなく、利益を第一に考えねばならないのです。
授業料を払っている親のほとんどは、そのような事情がわかっておらず、塾に子どもを行かせても成績があがらないので不満をぶつけてきます。とくに生徒がサボって塾に来ていない場合は問題が大きくなります。内心では塾に来ても無駄だと分かってはいても、利益のために通塾させつづけなければなりません。
なかには周囲に悪影響を与える生徒もいます。積極的に辞めさせた方が結局は塾の環境が良くなるだろうと思われても、「見捨てることはしない」という大義名分で引き止めねばなりません。
良心の呵責を感じながら働かなければならない要素があまりに大きいのが きついところです。
私が学生時代に経験した塾講師というバイトは、現在、塾講師をしている知人女子大生の話からも、何一つ変わらないきつさがあると感じています。
その一つは、バイトでも責任を求められることです。担当の生徒が高校や大学受験生であれば、必然的に、合格ラインまで、引っ張っていかなければなりませんから。
合格、不合格といった結果にびくつかねばならないプレッシャーとの闘いとなる事で、確かに、金銭を貰っているのですから、当然と云えば当然の事だと、頭の中では理解していてもきついものはきつい。
塾講師の責任者からの、結果に対する言葉は、かなり、心臓に悪いものもあります。
他の学生のバイトと比較すると、時給が良いので、即座に飛びついてしまうのですが、それはそれなりの苦労もある事を覚悟しておきましょう。自分が社会人になった時への人生訓練の一つだと思っておく必要があるバイトだと思います。
塾講師のアルバイトは、実働時間以外にも勉強をしなければならないので、拘束時間が長めだと思います。
その分、普通のアルバイトよりは時給が良いですが、生徒の成績を上げるということが最終的な目的になるので、そのプレッシャーものしかかってきます。
こちらが一生懸命教えても、生徒の点数にそれが反映されなければ、全ては水の泡です。生徒との相性の問題もありますが、教え方が悪いと見なされる場合もあるので、心が病んでしまいそうになるくらい辛いこともあります。
また、大事なお子さんを預かるという立場なので、軽率な発言にも気を付けなければなりませんし、自分の言動は常に見られているというつもりでいなければなりません。働くには、少し窮屈さを感じることもあると思います。
個人指導の塾ならともかく、普通は複数の生徒を同時に教えます。
例えば10人前後を小さな一つの教室に集めて授業を行うわけですが、それぞれの生徒のレベルは異なります。同じことを教えても理解できる生徒と、そうでない生徒が出てきます。
また学校での進度も異なるので、ある一つのことを教えても、すでに学校で習っているというケースもあります。まだ習っていない生徒は一生懸命聞いてくれますが、すでに習った生徒は聞かずに問題を解くことに専念しています。従って全員が同じことをせずにバラバラな状態になってしまうことがあります。
これを避けるには学校に追いつかれないような程度まで授業を進める必要があります。さらにできれば一つの教室でする授業の生徒レベルを合わせることが大事です。
報酬は授業1コマ単位でしかもらえないのだが、授業以外にさまざまな雑用があることが、塾講師のバイトのつらいところだ。
まず授業の予習をしなくてはならない。そして授業後にその内容を記した報告書を記入しなくてはならなかった。
この予習はまったく報酬に含まれないのだが、塾側はこの作業も含めて一コマあたりの報酬を払っているという。
しかし塾講師の単価は低いから、これは塾側の詭弁としか思えない。この不条理感が精神的なきつさになっている。
授業の予習には1コマあたり最低30分はかかる。2コマだと1時間。準備にかかる時間をキープするのは大変だった。
ふだんの出席人数が3人から4人という授業を引き受けていた。けれども、ある日たまたま全員が休みという日があった。塾側によると、この授業の報酬は払えないという。
けれども、こちらは所定の時間に出勤しているわけだから、授業があろうがなかろうが、報酬は支払われるべきだと思った。人の時間を何だと思っているのかとかなり腹が立った。
報酬と労力という関係で考えると、塾講師というのは割に合わない仕事だと思います。ただ、生徒とのコミュニケーションのとりかたなど、人間力ともいうべきものを鍛えることはできます。
あなたが報酬をとるか、コミュニケーション能力をとるかによって、塾講師のアルバイトをするかしないかを決めるとよいでしょう。
大学生の時に中学生、小学生を主に見る塾で働いていたのですが、大変なことは幅広い知識が必要とされることです。
理科から英語、古典、時計の読み方など、自分の大学の勉強+小中学校の知識を思い出す作業が大変。苦手な分野があると、自分が問題を解くのに時間がかかります。塾の仕事が終わると家で大学の勉強と、塾の勉強で常に勉強しなければいけません。
また、小学生からは宿題減らして欲しいと頼まれ、もっと遊べばいいのになぁと思いながら宿題を出すのが心苦しくなります。もちろん塾で学びたい人は限られていて、落ち着きもなく、やる気もない子供に勉強を教えるのはモチベーションが下がります。
それでも塾の運営者からはもっと宿題を増やすように言われ、複雑な気持ちになります。